あの子と私
少し無口になって二人で正美の家へと向かう。

そして家に着くと正美の部屋に行き、正美が言った。


「今日はさ、学校サボって遊びに行こうぜ?アタシのお気に入りの服貸してやるからさ」

「うん」


正美はそう言うと楽しそうに押し入れを開け、洋服を取り出す。

そして私の着替えが済むと。携帯電話を取り出して、何処かに電話を掛け始めた。


「もしもし、アタシ。今から行っていいか?……。じゃあ、今から行く」


正美は電話を切り、私に言った。


「じゃあ、行こうぜ?」

「何処に…?」

「カズのとこ」

「カズ…?」

「ああ、アタシのダチ。行こうぜ」


私は頷き、正美の少し後ろを歩き着いて行く。


学校……。

ヨシは行ってるかな?


真雪は…あの後学校に行ったんだろうか?


考えると又、怒りが込み上げて来る。

そんな私の気持ち見透かしたように、正美は少し遠くを見ながら私に言った。


「今日は嫌な事全部忘れて遊ぼうぜ?で、明日から又頑張ればいいじゃん」

「…うん」


電車で3駅行くと電車を降り、少し歩くと住宅街があって、正美は綺麗な一軒家の前に立つとインターホンを押す。


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