あの子と私
するとすぐインターホンから男の人の声が聞こえた。


「開いてるから上がれよ」


その言葉を聞いて正美は玄関を開けると、二階に上がり部屋の前に立つ。


「入るぞ」

「ああ」


部屋のドアを開け入って行く正美の後を追い、私も部屋に入った。

部屋に入ると若い男が二人居て、一人は金髪の長髪でテレビゲームをしていて、もう一人は短髪のガラの悪そうな男で、ダルそうな顔をしてテレビの方を見ながら煙草を吸っている。


正美はテレビゲームをしている男の隣に座って、私に言った。


「アリスも座れよ」

「…うん」


私は入口の方にちょこんと座る。


怖い……。


正美さんが電話で話してた”カズ”って人は、今正美さんの隣に座ってゲームをしている人だろう。
怖いけど、少し優しそうな感じだ。

短髪のタバコを吸ってる方は下手に話し掛けると、刺されそうなくらい鋭い目をしている。

でも、奇麗な顔をしてる。

少しすると正美は金髪と話すのを止めて、私に言った。


「あ、こっちがカズでそっちがタカだから」

「うん」


やっぱり金髪の方がカズなんだ。

この短髪の怖い人が”タカ”

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