あの子と私
正美とカズは部屋を出て、私とタカは黙ったまま後を着いて行く。

そしてガレージに着くと、正美はガレージにあるバイクの後ろに乗って、ヘルメットを被る。

バイク……?


「正美さん、私は…」


そう言い掛けた時、タカが私にヘルメットを渡して言った。


「お前はこっち」

「え…?」

「嫌なら置いていくけど」


タカがそう言った瞬間、カズと正美が乗ったバイクはエンジン音が鳴り始め、少しすると走り出す。


「早く乗れ」


タカの声に一瞬ビクッとして、私は慌ててバイクに乗った。

そして少し走ると正美の家に着き、正美は家の中に入ると押し入れを開けて、ゴソゴソ何かを探す。


「あれ…ねぇなー。確かにここにあったんだけどさぁ……」

「何探してんだよ?」

「……。あ、こっちか」


正美は暫く一人で押し入れの中を探すと、嬉しそうな顔で言う。


「あった!」


そして何かを手に取って嬉しそうに笑った。


「花火……」

「花火?!花火は夏にやるもんで冬にやるもんじゃないだろ」

「いーだろ!やりたかったんだから!!早く行こうぜ」


正美の家を出て、又バイクに乗る。

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