あの子と私
「オムライスでいいのか?ステーキとか頼んでもいいんだぞ?」

「…オムライスが好きだから」

「そっか」


ウエイトレスが来て注文をすると、注文した物が来る迄4人で話す。

正美はカズと気が合うようで楽しそうにはしゃいでいて、タカは無口で、私は正美や知らない客をボンヤリ眺めた。

知らない客は私達を敬遠するような目で見ている。

1年前、この景色を想像する事すら出来なかった。

ヨシは今頃授業を受けているだろうか?


私の事を心配している…?

暫くするとオムライスが出て来て、口に入れる。


すると懐かしい味がした。

うちは外食なんて滅多にしなかったから、外食の時はいつもオムライスを頼んでたんだ。

お母さんは今頃何してる…?

もう暫く会ってないような気がする。


4人でご飯を食べ終わり外に出ると正美が言った。


「あー、ちょっと忘れ物…。カズ、連れてってくんね?」

「ああ」


二人で行くの…?

私は慌てて正美に言う。


「正美さん、私も…」

「カズと二人で行って来るから、タカと二人で待ってろよ。すぐ戻ってくっからさ」

「でも…」

「カズ行くぞ。タカ、ちょっとアリスを頼むわ」

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