あの子と私
正美はそう言ってカズとバイクで居なくなた。


どうしよう……。


するとタカは黙ったまま海の方に歩いて行き、私も仕方なく着いて行く。

タカは海の入り口の階段の所に座り、私は少し距離を置いてタカの隣に座った。


海風が冷たい。


前にヨシとトモと一緒に海に来たけど、今日は風が強くてあの時とは全然違う。


ヨシとトモ…何してるかな?


二人の顔を思い出す。


暫く沈黙が続くとタカが口を開いた。


「お前さ、男居ないだろ?男慣れしてねーよな」

「彼氏なら…居るけど」

「けど?」


他の女の子を好きだけど私と付き合ってるって言ったら笑われる…?


「……」

「お前の事好きなの?」

「……。他に好きな子が居るけど、私と付き合ってる」


私がそう答えると、タカは笑って言った。


「それって付き合ってんの?」

「付き合ってる…」


だってヨシは私はヨシの彼女だって言ってくれたんだ。

タカは私の顔を覗き込むと、真面目な顔をして言った。


「その男がお前の事、好きになるように協力してやろうか?」

「……」


本当にそんな事出来る…?


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