あの子と私
担任は私を見ると、強い口調で私に言った。


「川野ー。何だ?その化粧は。HRが終わったら職員室に来なさい」


担任は出欠を取り始め、私は視線を真雪の方に向ける。

真雪はいつもと変わらない様子で、私をイライラさせた。

私の家を奪った癖に……。


何も無かったかのような態度だ。


昨日だって私が居ないのを良い事に、ヨシに何かしたかもしれない。


お母さんにしたように……。


気付いたらHRは終わっていて、担任が言った。


「川野!行くぞ」


私は立ち上がり、担任の後を着いて行く。

そして職員室に着くとすぐ、副担任が来て担任に耳打ちすると、担任が言った。


「川野、場所を変えるぞ。校長室だ。着いて来なさい」

「……」


私は黙ったまま担任の後を着いて校長室まで行くと、担任が深い溜息を吐いて言う。


「昨日は何処に居たんだ?お父さんが心配して学校まで来たんだぞ?」


お父さんが……?


「……」

「それで今日学校に来たら連絡する事になっていてな、今荻野先生に連絡して貰ったから、小谷先生の所で待ってなさい」

「……」

「じゃあ、すみません。私も授業があるんで小谷先生、お願いします」


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