あの子と私
「お前、その男といつも一緒に居るんだろ?」

「うん…」


するとタカはニヤっと笑って言った。


「離れんなよ?後は俺に任せろ。大丈夫だから」

「でも今日…重いって言われた」


私のその言葉に、タカは迷う事無く言う。


「大丈夫だ。お前から離れられなくなるよ。じゃあな」


タカはそう言って部屋を出ようとする。


「…もう帰るの?」

「用事は済んだからな。そうだ…今日の事は正美には言うなよ?」

「……何で?」


私が聞くと、タカは振り向き怖い顔をして言った。


「いいから。もし言ったら……」

「……言ったら?」

「……」


タカは黙って笑みを浮かべると、そのまま歩いて行き、家を出て行く。

私は動けなくて、バイクの音を聞き、音が遠くなっていくのを確認すると、そのまま横に倒れ込んだ。



怖かった……。


正美さん早く帰って来ないかな……。

静かな家が不安にさせる。


そして又携帯が鳴った。


ヨシ……?


恐る恐るメールを開く。


From.タカ
今からやる
お前は余計な事言わないで、黙って男と居ろよ



……。


携帯をソッと閉じた。


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