あの子と私
翌日、少し早めに出てヨシが来るのを待つ。


タカがもしヨシに何かしてたら……。


タカはヨシの事を知らないんだ。何も出来る訳がない。


クラスの子が来る度、ドアの方を確認する。そしてチャイムが鳴る直前にヨシが教室に入って来た。

私はいつもと同じように、ヨシの席に行く。


「ヨシ…おはよ」


ヨシはいつもと何か違う…?


「おはよう…アリス」


昨日と変わらない。

『ちょっと距離を置こう』


あの時のヨシと何も変わってない。


「あ…席に戻るね…」

「…うん」


ヨシと私のやり取りを見ていた子達が、こそこそ話し出す。


「あの二人、本当に付き合ってんの?」

「付き合ってても、もう破局寸前って感じじゃない?空気がお通夜だもん!」


気にしない……。

私は席に戻り、又少しだけヨシを見る。


やっぱりいつものヨシと何も変わらない。

ヨシが私から離れられなくなるって言ってたけど、そんな事出来る訳ない。


少し残念な気持ちと、ホッとした気持ちになった。


すると携帯がブルブル鳴り、私は机の下でメールを確認する。


From.タカ
何も変わらなくてガッカリしたか?
1週間後に変わるよ


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