あの子と私
そして放課後になり、ヨシの席に行くとヨシが言う。


「…帰ろうか」

「うん」


ヨシと二人で教室を出ると、ヨシは落ち着かない様子で周りをキョロキョロ見て、小さな声で言った。


「あのメールを送って来てるのって、学校の奴かな?今日も何も無く家に帰れたら、メールなんて気にしなくて大丈夫だよね?」

「…うん」


何もないまま学校を出て駅へ向かう。

駅に着き電車に乗ってヨシの家の最寄り駅に着くと、ヨシは少し安心した顔をして言った。


「とりあえず、大丈夫だよね?後少しで家だしさ」

「うん」

「あ、ちょっと待って」


ヨシはそう言って立ち止り、携帯を開くとキョロキョロ周りを見る。

そして家のある方向をジッと見ると、黙ったままゆっくりと歩き始めた。


「…ヨシ?」


真っ直ぐ視線を向けると、ヨシの家に続く道に何か黒いものが落ちているのが見える。

ヨシは黙ったまま歩き、私は少し離れてヨシの後ろを歩く。

そしてヨシは又立ち止り、悲鳴を上げて頭を抱えてしゃがみ込んだ。


「わぁーーー!」

「…どうしたの?」


私はヨシが見ただろう物に視線を向ける。


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