あの子と私
「……」


カラス……?

真っ黒なカラスが目を見開いて血まみれになっている。

そしてそのカラスに紙と一緒にアイスピックが突き刺さっていた。

血が滲んでいる紙に何か書かれてる……?


”presento for you”…?


ヨシを見ると、ヨシはしゃがみ込んだまま、カタカタ震えている。

私はヨシの背中に手を置き、小さな声で言った。


「ヨシ…大丈夫だから行こう?」


ヨシは黙ったまま暫くすると立ち上がって言った。


「さっきメールが来たんだ…。プレゼントはお前の目の前にあるって……」


「…うん」


二人黙ったまま、もう目の前にあるヨシの家に入る。

そしてヨシの部屋に入ると、ヨシは音楽を付ける余裕も無く、いつもの場所に座り込んだ。

暫く黙っていると、ヨシは少し落ち着きを取り戻し、口を開く。


「…一体誰なんだよ……」

「心当たりは…?」

「…無い。どんどん酷くなっていく気がするんだ。家から出ない方がいいのかな?でも家に一人で居るのも気持ち悪いよ」


いつも明るいヨシが小さく見える。

ヨシは弱っているんだ。


「ヨシが安心する迄ずっと一緒に居るよ」

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