あの子と私
「アリス…悪いんだけどさ……」

「…何?」

「そこのクローゼット…開けてみてくれる…?」


私はヨシの視線の先にあるクローゼットに視線を向ける。

メールは何て来てたんだろう?

私はゆっくりとクローゼットの前に行き、クローゼットの扉を開く。



その瞬間、何かが落ちて足元に転がった。


「わーーー」


ヨシの叫び声に一瞬ビクッとすると、ヨシに視線を向ける。

ヨシは頭を両手で抱え込み、目を閉じていた。

何が転がったんだろう?

私は転がった物を拾い上げた。


黒い猫……?

黒い猫のぬいぐるみにナイフが突き刺さって濡れている。

私はそれを持ってヨシの前に行くと、しゃがんでそれを差し出した。


「ヨシ、これ……」


ヨシはゆっくり目を開けてそれを見ると、又大きな叫び声を上げた。


「あーーー!」

「ヨシ?」

「血…血だぁ!!!」


血……?

猫のぬいぐるみを持っている手が赤くなっている。

怯えているヨシに私は言った。


「ヨシ、大丈夫だよ。これ、ぬいぐるみ…」

「……え?」


ヨシは猫のぬいぐるみをジッと見ると、安堵の表情に変わる。

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