あの子と私
私はカーテンを開け、ぬいぐるみを捨てた所を指差す。


「ほら、あそこ……。あれ?」

「アリス……何も無いよ。違う場所じゃないの…?」

「ううん…。あそこに捨てた」


私がそう言うとヨシは、取り乱してカーテンを閉める。


「見られてるんだ…!見られてるんだ…!!」


するとヨシの携帯が大きな音を立てて鳴った。

ヨシは携帯を私に差し出して言う。


「アリス…読んでくれる…?怖いんだ」

「分かった」


私はヨシの携帯を開いて、メールを確認する。


From.y-o-yxxxxx@dosimo.ne.jp
カーテンを閉めても無駄だよ


私がそれを読みあげると、ヨシは又顔色を青くして言う。


「もう…勘弁してよ……。俺…誰に恨まれてんの?誰がこんな事するんだろう……。アリス…俺…怖いよ」


ヨシは泣きそうな顔をしていて、私はソッとヨシの手を握ると、ヨシは私を抱き締めて行った。


「もし皆が俺の事恨んでても、アリスは傍に居てくれるの…?」


思わず笑みが零れる。

もっと弱って、ヨシの頭の中に私しか居なくなればいい。


「傍に居るよ。…ずっと」

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