あの子と私
翌日学校が終わった後、タカに言われた通りヨシの家に行く。

ヨシは吹っ切れた顔をしていて、部屋に着くと音楽を掛け、私の隣に座る。


「もうメールは来ない?」

「うん。携帯を変えてから一度も来てないんだ。もっと早く携帯を変えたら良かったよ」

「うん」


タカはヨシに接触していない。

少しホッとすると、ヨシが私の顔をジッと見て言う。


「アリスが居てくれて本当に良かったよ。ありがとう、アリス」


そしてヨシの顔が近付いた時、私の携帯がブルブル鳴った。

もしかして…タカ?

ヨシは苦笑いして私に言う。


「携帯、鳴ってるよ」

「…うん」


どうしよう……。


このメールがタカからで、電話をするように指示されたら……。

心臓が大きく鳴って、冷や汗が出そうになる。

私は携帯をポケットから出すと、ヨシに見られないように携帯を開く。


”新着メールあり”


やっぱりメールだ。

そしてメールボックスを開いた。


From.タカ
バーカ


……。
『バーカ』って、それだけ…?

気が抜けて少しホッとしているとヨシが聞く。


「何?」


私は咄嗟に嘘を付く。

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