あの子と私
「うん」


目の前に立つ建物は私がいつも行っている、おばさんがカットしてくれるような美容室じゃなくて、モデルでも出て来そうな、白主体のお洒落な美容室だった。


「ヨシとトモが髪の毛を黒くするの…?」


私がそう聞くとヨシとトモは笑い、ヨシが私の手を引いて美容室の中に入る。


「いらっしゃいませ」


出て来たお姉さんは、20代半ばくらいの、セミロングに品のいい茶髪の奇麗なお姉さんで、私は口をポカンと開けてお姉さんを眺めた。

フワフワして…可愛らしい。

お姉さんは私を見てニッコリ笑顔を見せると、ヨシに言った。


「広瀬さん、今日はこちらのお嬢さんを可愛くしてあげたらいいのかしら?」


こちらのお嬢さん…?

私はキョロキョロと周りを見る。


「うん。お願いします。アリス、可愛くしてもらいな」

「え?私なら大丈夫。髪の毛伸ばしてるし、三つ編み出来なくなったら大変だし…。だから、いい」

「いいから。やって貰いな」


お姉さんは優しい笑みを浮かべ、ヨシとトモはニコニコしている。

ヨシとトモは?


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