あの子と私
「うん」


視力検査と診察を済ませると店員が聞いた。


「コンタクトは初めてですか?」

「…コンタクト?した事ないです」

「じゃあ入れましょうか?」


コンタクトを……?

診察と視力検査は眼鏡を買う為じゃないの?


「いえ…いいです」

「じゃあ、ご自分で入れられますか?」


そんなの聞いてない。

コンタクトを入れるなんて聞いてないし、絶対に無理だ。


「いえ…眼鏡があるので大丈夫です」

「…?じゃあ、私が入れますね。大丈夫ですよ。初めは時間が掛かりますけど、慣れたらすぐですから。はい、目を上に向けて下さい」


怖い……。

私は言われた通りにし、コンタクトを入れられる。


「どうですか?」

「……」


凄い

眼鏡をしていないのに、奇麗に見えてる。


「大丈夫ですね」


店員はそう言って何処かに行き、私はヨシとトモの所に戻るとトモが聞く。


「コンタクトしてるの?」


私は恥ずかしくて、視線を下に向けたまま頷いた。


「アリス、上を向いてよ」

「…やだ」

「じゃあいいよ。トモ、帰ろう」


嘘……。

怒った?


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