あの子と私
ヨシとトモはそう言ってお店を出る。

ヨシとトモを怒らせてしまった……。

私はションボリしてお店を出て、下を向いたまま歩く。

すると後ろから声が聞こえた。


「アーリス!」

「…え?」


私が振り返るとすぐ後ろにヨシとトモが立っていて、いたずらっぽく笑って言った。


「ごめん。ちょっと意地悪してみたんだ」

「……何で?」

「あのまま言ったって顔見せてくれないと思ったから。でも俺とトモが帰る所で引き止めに来る予定だったんだけど」

「ごめ…」


私がそう言いかけると、ヨシは顔を近付けて来て言った。


「やっぱり眼鏡無い方が可愛いね」

「ちょっと…」


又、ドキドキして顔が熱くなっていく。


「あっ、そうだ。これ、プレゼント」


そうヨシに手渡された紙袋をソッと開くと、さっきの眼鏡屋さんで見た、コンタクトと眼鏡らしき物が入っている。


「いいの…?」

「アリスが可愛くなるなら。世の中に可愛い子が多い方が俺は幸せになれる」

「何言ってんだよ、バーカ。アリス、ヨシはそういう奴だから、遠慮せずにどんどん買って貰え」

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