あの子と私
そして学校に着くと、恥ずかしくて下を席に座る。
ヨシとトモはまだ来てない?

来てたら……すぐに私の所に来て言うと思う。

”眼鏡掛けて来たんだ?って。

嬉しそうな顔をして。


少しだけ顔を上げてヨシとトモの姿を確認したけど、二人の姿はやっぱり無かった。


早く来ないかな……。

クラスの子達が来る度私は顔を上げ、でも違う子達で、私と目が合ったクラスの子達は、驚いた顔をして仲良しの子の所に行き、ヒソヒソ話しているのが分かる。


似合ってないのかな……。

そう思った時、クラスの女の子が大きな声で言った。


「ねぇ、川野さん見て!髪形も変わったけど眼鏡もピンクだよー、ピンク!」

「うん、何か急に変わったよねー」


皆が私の事を見てる……。


「何かさー、最近広瀬くんや相川君と一緒に居るからって、調子に乗ってるよねー」

「勘違いしてるんじゃないのぉ?」


そんな風に思われるなんて思わなかった……。


私は下を向くと急いで眼鏡を外して机の中に入れる。


「あーあ、ミッコがあんな事言うから外しちゃった」


クラスの子達がくすくす笑っているのが分かる。


帰りたい


帰りたい……。

< 48 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop