あの子と私
それから数日が経った。


「今日は笠原先生は休みだから、自習になります。預かったプリントをちゃんとやって、授業が終わる時に提出して下さい」


ザワザワしている中、プリントが配られると、私は問題を解き始める。

これは簡単だから、すぐに終わる。

先生が教室から出て行くと、みんな好きな場所に移動して、楽しそうに話し始めた。

私もプリントが終わったら、立花さんの所に行ってみよう。

そう思った時、立花が私の所に来て言った。


「川野さーん。お願い!分からないから、代わりにやってくれない?」


…え?私……?

トモや先生に言われた言葉が頭の中を過る。

”押し付けられてる”


一瞬顔が歪んだのを気付かれないように必死になる。


「ダメー?川野さん、頭がいいからすぐに出来ると思うんだよねー。ね、お願い!友達でしょ?」


『友達でしょ?』なんて言われたら、私……。

断れない。


「うん。いいよ」


私はそう言ってトモの方をチラリと見ると、トモが強い目でこっちを見ているのが分かった。


”断れよ”


そう言ってる。

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