あの子と私
「川野さん…?いいんだよね?」

「あ…うん」

「じゃあ、私、ミッコの所に行ってるから、プリントが出来たら川野さんも来なよー」

「うん」


立花が席から離れて行き、私は急いでプリントを始める。


『プリントが出来たら、川野さんも来なよー』


私は利用されてなんかいない。

押し付けられてもいない。


早く。

早くプリントを終わらせて、立花さんの所に行かなくちゃ。

私も早く、あの輪の中に入りたい。


早く。


私は急いでプリントを終わらせると、立花達の所に急ぎ足で向かった。


「立花さん、プリント出来たよ」


私がそう言ってプリントを立花に差し出すと、立花はそっけなく言った。


「あー、ありがとう。私の机の上に置いといて」

「あ、うん」


何か……。

余り声を掛けて欲しくない感じだった。

でも来なよって言ってたし、いいんだよね?

私は立花のプリントを立花の席に置くと、立花達の所に行く。


「でさぁ、彼氏がウザくて……」

「何て言って来たの?」


立花の問いかけにミッコは答えず、私をジッと見て言った。


「川野さん、何?」

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