あの子と私
「なーに、謝ってんの?」

「……」

「謝るよりコンタクトして来てよ。可愛いは正義だから」


ヨシはそう言って私の頭を撫で、私は顔が赤くなるのが自分で分かるくらいドキドキした。

クラスの女の子がこっちを見て、コソコソ話しているのが分かる。


でも

私は気にしない。


ヨシとトモが居るんだ。

ヨシとトモと居ても、成績が下がらなければいい。

勉強を頑張れば、お母さんだって何も言わないよね?


だからもっと勉強を頑張ればいいんだ。



「今日放課後どうする?」


そう聞くトモに私は答える。


「やめとく」

「えー、久々に三人で何処か行こうよ」

「成績が下がると、怒られるから」


私がそう言うと、トモが少し笑いながら、ヨシに言う。


「じゃ、俺らもアリスの勉強に付き合うか?」

「マジそれだけは勘弁」


そして三人で顔を見合わせて笑う。

やっぱりヨシとトモと居ると心地いい。





いつも少しだけドキドキするけど。


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