あの子と私
翌日から又、ヨシとトモと三人で過ごす毎日が始まった。

少し肌寒くなって

髪も少しずつ伸びていく。


「この前さぁ、DVD借りに行ったら、店員のお姉さんが超可愛くてさー」


ヨシがよくする可愛いお姉さんの話を、トモが呆れた顔をして聞く。


「又番号聞いたのか?」

「聞いたんだけどさぁ、『まだ高校生でしょ?5年後に教えてあげる』だって。暫く通うか」


胸が少し痛む。

ヨシが言う可愛いお姉さんってどんな人なんだろう……?


「お前さ、たまには一人に絞れよ」

「だって一人に絞れないんだよねー。みんな好き。アリスも好きだよ」

「軽いんだよ、お前は。昔は一途だったろ」


トモの言葉にヨシの笑顔が消えて、真顔で言った。


「昔の話はいいんだよ」


昔、何かあった…?

そう思いながら私は、ヨシの言葉に悲しかったり、嬉しかったりする自分の気持ちに動揺していた。


こんな感情初めてなんだ。

そしてヨシは真顔から笑顔になってトモに聞く。


「まぁ、俺の話はいいよ。それよりトモの好きな奴はいないの?」


トモの好きな人……?


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