あの子と私
そして一ケ月が経ち、放課後、久し振りにヨシとトモと一緒に出掛ける。


「今日は何処に行く?てかアリス大丈夫なの?」


ヨシの問いかけに私は答える。


「…うん」

「たまには息抜きも必要だよね」

「ヨシは息抜きばっかじゃん」


ヨシとトモと三人で笑い、ヨシが言った。


「じゃあ俺冬服欲しいからさ、買い物行こうよ。アリス、見立ててね」

「う…うん」


当たり前のようにヨシが切符を買ってくれて、三人で電車に乗る。


少しドキドキする


そしてヨシとトモに連れられ電車を降りると、大きなデパートへ入り、男性服のコーナーを三人で回る。

ヨシはどんな服を持ってるんだろう…?

ヨシは奇麗に畳まれた長袖のシャツや、ハンガーに掛けられたトレーナーの周りをグルグルと歩いて言う。


「何か欲しいの無いや。せっかくだからさ、女物の所にも行こうよ」

「そうだな」

「え…?私お金持って来てない」


私がそう言うとヨシは笑顔で言った。


「いいよ、俺が買ってあげるから」

「でも…ダメだよ」

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