あの子と私
前にも買って貰ったのに…?
「気にしなくていいよ。俺が買いたいから買うんだから」
「ううん。買うなら行かない」
「……。分かったよ。じゃあ見るだけにしよ?」
「うん」
右にヨシ、左にトモ。二人に挟まれて女性服売り場へと移動する。
「アリスはいつもどんな服を着てるの?」
ヨシにそう聞かれた瞬間、クローゼットの中を思い出した。
少しだけ首回りが伸びたトレーナーと、色褪せたジーンズ……。
お母さんが言ってた。
『お洒落は勉強の邪魔になるから、大学生になるまではこれでいいわね』
「アリス…?」
トレーナーにジーンズしか持ってないなんて、ヨシには恥ずかしくて言えない。
「普通だよ。…あんな感じ」
私はそう言って、少し遠くに居るピンク系の花柄のスカートに、ブーツを履いたお洒落な女の子を指差した。
「へー、アリスはパンツとか履くタイプかと思ってたけど、スカート派なんだね」
「…うん」
私服で一緒に出掛けるなんてないだろうから、大丈夫だ。
これくらいの嘘……。
そして少し歩くと、さっきの女の子が着ていたような服が沢山並ぶお店へと入る。
「気にしなくていいよ。俺が買いたいから買うんだから」
「ううん。買うなら行かない」
「……。分かったよ。じゃあ見るだけにしよ?」
「うん」
右にヨシ、左にトモ。二人に挟まれて女性服売り場へと移動する。
「アリスはいつもどんな服を着てるの?」
ヨシにそう聞かれた瞬間、クローゼットの中を思い出した。
少しだけ首回りが伸びたトレーナーと、色褪せたジーンズ……。
お母さんが言ってた。
『お洒落は勉強の邪魔になるから、大学生になるまではこれでいいわね』
「アリス…?」
トレーナーにジーンズしか持ってないなんて、ヨシには恥ずかしくて言えない。
「普通だよ。…あんな感じ」
私はそう言って、少し遠くに居るピンク系の花柄のスカートに、ブーツを履いたお洒落な女の子を指差した。
「へー、アリスはパンツとか履くタイプかと思ってたけど、スカート派なんだね」
「…うん」
私服で一緒に出掛けるなんてないだろうから、大丈夫だ。
これくらいの嘘……。
そして少し歩くと、さっきの女の子が着ていたような服が沢山並ぶお店へと入る。