あの子と私
そしてヨシとトモは前を歩き、少し店内の中をグルグル回ると、ワンピースのコーナーで立ち止った。


「ねートモ、これアリスに似合いそうじゃない?」

「ん?ああ、いいんじゃね?」


二人でそう話すと、ヨシはハンガーに掛かったワンピースを手に取り、私に見せる。


「こんなのどう?」


淡いピンクの無地の清楚なワンピース。


私はそれを持ち、鏡の前で合わせてみる。


「可愛いね、これ」


そう言ってチラリと値札を見ると、¥18000と書かれていて、ユラユラと揺れてる。


安かったらお小遣いを貯めて買おうかと思ったけど


そう思った時、ヨシがサッとワンピースを取り上げて言った。


「買ってあげるよ。よく似合ってるから」



え?


こんなに高いのに…?

ダメだよ。

どうしよう……。


そのままレジに向かおうとするヨシの腕を掴んで言う。


「ヨシ、いいよ。私、要らない」


私がそう言うと、ヨシは不思議そうな顔をして言った。


「…何で?」

「…持ってるんだ。これと同じやつ。少し違うかもしれないけど、持ってるからいい」

「そうなんだ?じゃあ、他のにする?」


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