あの子と私
いつかあの可愛いワンピースを着て、ヨシと一緒に手を繋いで歩けたらいいのに。

そして三人で手を繋いだまま、デパートから出て少し歩くと、ヨシが言った。


「ねぇ、アリス。プリクラ撮った事ある?」


プリクラ…?
クラスの女の子達が時々持って来て交換してたやつ?


「無いけど…」

「じゃあ、撮ろうよ。そのゲーセンで」


私が頷くとトモが慌てて言った。


「あー?俺は嫌だ。絶対に嫌だ!!」

「じゃあ、俺とアリスで撮るから待っててよ」

「……しょうがねぇな、一回だけだからな」


慣れたようにプリクラの機械に向かうヨシ、不貞腐れた顔をして渋々歩くトモと私の三人で、一台のプリクラの前に立つ。


「アリス、プリクラは初めてだよね」

「うん」

「トモは?」

「当たり前だろ!?」


凄く不機嫌なトモを見て、私とヨシは笑うと、私を真ん中にヨシとトモが両隣に来て、プリクラを撮る。


「ちょっとこれ……」

「いーじゃん、アリス。半目も可愛い」


せっかくのプリクラが…。


「やだ」


そしてもう一枚撮る。


「トモさー、何回撮っても同じ顔だね。ちょっとは笑いなよ?」

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