あの子と私
さっき迄はあんなに楽しかったのに、少ししたことで簡単に変わってしまう。

勉強しなきゃ……。

机の中じゃ、気になって集中出来なくなるかもしれない。

プリクラに写るヨシの顔をジッと見ると、クローゼットの中にある、トモに買って貰った参考書の中にソッと挟んだ。


勉強しなきゃ……。

さっき見た母親の顔を思い出すと、少し胸が苦しくなった。


大丈夫


お父さんは普通に帰って来て、昨日と同じように夕飯の時間を過ごせるんだ。

私は必死に問題を解き、暫くすると母親の声が聞こえた。


「アリス…アリス、ご飯よ」


生のない母親の声に私は大きく深呼吸すると、食卓に向かう。
そして、手を洗うと沢山並べられた料理の前に座って母親に聞いた。


「お父さんは?」

「…少し遅くなりそうだから、先に食べてだって」


連絡が取れたんだ


私は箸を取り、おかずを一つ摘まむと、母親は席に座り力なく言った。


「何か嫌な予感がするわ…」

「……?」

「何か隠してる時…私の勘違いだといいけど」


母親はご飯を食べずにボンヤリとしていて、シンとした中私は食事を済ませる。

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