あの子と私
翌日、学校が終わるとすぐに家へと帰る。


今日は父親は朝早くに出張に行き、母親は元気がなかった。


早く帰らなきゃ…


お父さんが出張で居ないのに、私まで帰るのが遅かったら、お母さんが心配するし、不安になるかもしれない。

私は急ぎ足で歩き、少しだけ息を切らしながら、玄関を開けた。


「ただいま」


すると母親は不安そうな顔をして、私を出迎えて言う。


「お帰りなさい、アリス。ちょっと顔が赤いわ。熱があるかもしれないわ…」

「ううん、ちょっと急いだだけだから」

「そう…ならいいけど…今日は勉強は…」


母親がそう言いかけた時、家の電話が鳴った。


「アリスは着替えてなさい」

「うん」


母親はそう言って急いでリビングに向かい、私は部屋へと向かう。

そして部屋に入ろうとした瞬間、母親の大きな声が聞こえ、私は足を止めた。


「何バカなことを言ってるの!!冗談でしょ?!」


凄く怒ってる

誰からの電話……?


「本気だって……。貴方、自分が何を言ってるか分かってるの?!そんなの施設か何かにぶち込めばいいじゃない!!」


施設…?

誰と何の話をしているのか、全く分からない。

< 84 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop