あの子と私
「……出てちょうだい」

「うん……」


私は玄関に向かいドアを開ける。

すると目の前にヨシとトモが立っていて、私は思わず顔が緩む。

そして外に出て二人に聞いた。


「おはよう。どうしたの…?」

「学校に来てないから迎えに来た」


ヨシが笑顔で答え、トモは頭を軽く下げる。


「今日は……」

「制服着てないじゃん。風でもひいたの?」


二人の顔を見ると、やっぱり学校に行きたい。


「ちょっと待ってて」


私はそう言って家の中に入ると、母親に聞く。


「お母さん、やっぱり学校に行ってもいい?」


私がそう言うと母親は険しい顔をして、低い声で言った。


「…何言ってるの?今日は家に居る様にいったでしょ?」

「でも…友達が迎えに来てるから」

「だから今日はダメって言ってるでしょ?!早く断って来なさい!!」


母親の怒鳴り声にビクンとして、ションボリと玄関に向かう。

せっかくヨシとトモが向かに来てくれたのに

家に居ないといけない理由も分からない。


そして玄関を開けると、ヨシとトモに告げた。


「ごめん。今日はやっぱり学校に行けない」

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