あの子と私
「うん」


父親は出て行き、玄関が閉まる音が聞こえると、母親は両手で頭を抑えて大声を上げた。


「あ”---!!!」

「……」


あの部屋の事がショックなのは、何となく分かるけど、何でお母さんがこんなに取り乱すのか分からない。

真雪ちゃんはお母さんが亡くなったみたいだし、あんな風に言わなくてもいいのに。


お母さんの態度を見てたら、お母さんの前では無理だけど、真雪ちゃんと仲良く出来るかな?

友達に……なれるといいな。


私は少ししてから部屋に戻り、勉強を始める。


勉強をしながらも、真雪の顔が頭の中でチラチラ浮かんで来る。


今、どうしてるんだろう……?


お腹が空いてきた。


真雪ちゃんは?


お腹空いてるよね?

それに…あの部屋が見てみたい。


一度も入った事のない、いつかお父さんとお母さんが使うはずだった、あの部屋。


どんな部屋なんだろう?


私はシャーペンを置き立ち上がると、そのまま真雪の部屋へと向かう。


そしてドアをノックすると、少しして真雪の声が聞こえた。


「…はい」

「私…アリスだけど入ってもいい?」

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