あの子と私
そして少し沈黙になる。

この部屋の事で頭がいっぱいになって忘れててけど、お腹が空いてると思ってこの部屋に来たんだった。


「あっ、そうだ。真雪ちゃんお腹空いてない?」

「少し…」

「じゃあ、何か買いに行こうか?」


私がそう聞くと、真雪が言った。


「私、何か作るよ。これからお世話になるし、こう見えて節約料理が得意なんだ!」

「じゃあ、私も手伝うね」


真雪と一緒にキッチンに向かう。

真雪ちゃんは料理が出来るんだ?

私なんて家で料理なんて作った事ないのに凄いな。


そして真雪と私はキッチンに行き、冷蔵庫を開けて二人で覗き込んだ。

何か色々入ってるけど、何に使うとか全く分からない。

何が作れるんだろう?

考え込む私とは反対に、真雪は目をキラキラさせながら言った。


「うわー。いっぱい食材がある。これだけあれば何でも作れるよ」

「そうなの?」


これで何でも作れるんだ?

卵があるから、目玉焼きくらいは作れそうだけど。

すると真雪は、少し恥ずかしそうに、上目遣いで私に聞いた。


「ねぇ、アリスちゃん…。アリスちゃんのお母さんは、何が好き?」

「えっ?」


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