【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
「今も、勉強してるの?」
「うん。勉強してる」
「本当に?返信早くない?」
「送ってくるからじゃん。用ないなら無視するよ」
「うわ、意地悪。」
家に帰ってからの、メッセージのやりとりも凄く楽しかった。
付けっぱなしのテレビもそこそこに、奏にメッセージを送っては頬を緩める。
奏の年相応な言動は、私から見て大人すぎていたお兄ちゃんとはやっぱり違った。
始めはお兄ちゃんの面影を探して一緒にいた彼だけど、ほんの数日の間に、全く違う、奏という一人の男の子として、大切な存在になっていた。
お兄ちゃんとは違うけど、安心するし、温かい。
そんな初めての存在が、私は嬉しかった。