【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
「私、実はね、昔ちょっと病気してて小学校に通えてなかったの。」


諦めたように口を開いた私。

奏は、話を聞くと示すように、それまで登っていた階段に腰を下ろした。


私は少し笑みを零してその隣に座る。


「中学生から登校できるようになったんだけど、早く馴染みたくて必死だった。
それで、気付いたらみんなの顔色を見て、先回りで動くようになっちゃって。」

「……なるほどね。」


奏は、納得した様子で、小さく呟く。


「必要ないって分かってるのに、勝手にそんな風に過ごすから、いい人だねとか優しいねとかよく言われるし、皆と打ち解けることはできたんだけど…。

でもね…ときどき、すっごく疲れるんだよね。」


私は、足元に落ちる、少し色づいた落ち葉を拾い集める。

その様子を黙って見ている奏と視線を合わせて、私は笑った。


「奏との出会いはね、奇跡みたいだったんだよ」

「え?」


突然だったからか、落ち葉から視線を上げた奏は驚いた表情をしていた。
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