【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
#9
肌寒い風の中、私は一人、石畳の階段を上っていた。
「さむ…。」
SNSの流行は一時的なもので、1か月程経った今日の神社は混雑も緩和して参拝者の数は少なかった。
並ぶことなく境内に向かって、お賽銭を投げ込む。
両手を合わせて目を閉じると、ずっと変わらない、大好きな2人の笑顔がそこにあった。
ずっと苦手だった。
叶わないと分かっている願い事してしまう、この時間が。
お兄ちゃんお姉ちゃんがくれた安心感には、二度と出会えないと思っていたから。
だからこそ、苦しいのに願わずにはいられなかったのだと、今では分かる。
私は、今、2人の笑顔と共に、もう一人の大切な人を思い浮かべた。
――無理なお願いをし続ける私に、奏と出会わせてくれてありがとうございます。
神様にそんなお礼を言って、私はお守り売り場へと足を向けた。
見覚えのある、3色のチャームに笑みを零す。
「これ、お願いします。」
私は、その隣にあった赤色のストーンが光るお守りを手に取った。
「こちら、学業成就のお守りでお間違いありませんか?」
「はい」
そのお守りを受け取って、私は神社を後にした。
紙袋から取り出し太陽にかざすと、赤いストーンがキラキラと光る。
「やっぱ可愛い」
SNSの人気は続かなかったけど、お守りがおしゃれなのは間違いないし。
それに、私はたくさん助けてもらっている。
だからこそ買う気になった可愛らしいお守りの写真を撮り、メッセージで送信した。
「奏とまた会うために頑張るよ」
「俺も、頑張る。」
すぐに返ってきた返信に、私は笑みを零す。
奏が受験する大学は、私がひそかに狙っていた大学だった。
同じ大学の医学部を目指す奏と、看護学部を目指す私。
転校してしまって、すぐには会えなくなってしまったけど、
近い目標を持って頑張る彼は、すぐ隣にいるように感じられた。
「さむ…。」
SNSの流行は一時的なもので、1か月程経った今日の神社は混雑も緩和して参拝者の数は少なかった。
並ぶことなく境内に向かって、お賽銭を投げ込む。
両手を合わせて目を閉じると、ずっと変わらない、大好きな2人の笑顔がそこにあった。
ずっと苦手だった。
叶わないと分かっている願い事してしまう、この時間が。
お兄ちゃんお姉ちゃんがくれた安心感には、二度と出会えないと思っていたから。
だからこそ、苦しいのに願わずにはいられなかったのだと、今では分かる。
私は、今、2人の笑顔と共に、もう一人の大切な人を思い浮かべた。
――無理なお願いをし続ける私に、奏と出会わせてくれてありがとうございます。
神様にそんなお礼を言って、私はお守り売り場へと足を向けた。
見覚えのある、3色のチャームに笑みを零す。
「これ、お願いします。」
私は、その隣にあった赤色のストーンが光るお守りを手に取った。
「こちら、学業成就のお守りでお間違いありませんか?」
「はい」
そのお守りを受け取って、私は神社を後にした。
紙袋から取り出し太陽にかざすと、赤いストーンがキラキラと光る。
「やっぱ可愛い」
SNSの人気は続かなかったけど、お守りがおしゃれなのは間違いないし。
それに、私はたくさん助けてもらっている。
だからこそ買う気になった可愛らしいお守りの写真を撮り、メッセージで送信した。
「奏とまた会うために頑張るよ」
「俺も、頑張る。」
すぐに返ってきた返信に、私は笑みを零す。
奏が受験する大学は、私がひそかに狙っていた大学だった。
同じ大学の医学部を目指す奏と、看護学部を目指す私。
転校してしまって、すぐには会えなくなってしまったけど、
近い目標を持って頑張る彼は、すぐ隣にいるように感じられた。