【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
#2
「恋愛成就、叶うといいねー!」
お揃いになったお守りを、夕日に掲げるようにして見つめる亜由。
「そうだね」
当たり障りのない返答をして、私は、そっと足を止めた。
少し前を歩く亜由に気付かれないように、
カバンに着いた大きなクマのキーホルダーを外し、乱暴にカバンに詰め込む。
「ごめん。私、キーホルダー落としたかも!」
「キーホルダー?いつもつけてるクマのやつ?」
「そ、そう!気づいたらなくて」
「ホントだ、ついてないね?戻ろっか?」
優しい亜由は、もう目の前にある駅に当然のように背を向けるから、私は慌てて首を振った。
「ちょっと見てくるだけだから!無かったら申し訳ないし、亜由は先帰ってて!」
「え、でも…」
「大丈夫だから!ありがとうね」
にこりと微笑むと、亜由は頷いて、手を振った。
「じゃあね、また明日!」
「恋愛成就!頑張ろうね!」
「うん!頑張ろう!」
そんな笑顔で、彼女が背を向けた瞬間、私もぱっと振り返り走り出した。