君が僕を呼んだから
学校からの帰り道、中学生のガキども3人が、一人の女子をからかって遊んでいた。
俺はその光景を横目で眺めながら、つい1、2年まえのことを思い出していた。
(俺もあいつらと同じことしてたな。好きな女子にいたずらして気を引こうとしてたっけ。そんなことしても、嫌われるだけなのに)
俺は自嘲気味に笑って通り過ぎようとした時、『助けて』という声が聞こえた気がして足を止めた。
辺りを見渡しても、声の主は公園で男子にからかわれているあの女子しかいない。
無視して帰ることも出来たが、俺はしばらく様子をみることにした。
どうやら男子たちは、女子の何かを奪い取り、投げて取られないように遊んでいるらしかった。
女子はそれを取り返そうと必死になっている。
何度か転んだのだろうか。
膝が擦りむき血が滲んでいた。
(全く。仕方ねぇなぁ)
普段なら気にも止めず通り過ぎるのに、何故か俺はあの『助けて』という声が耳から離れなかった。
俺は中学生のガキどもに近付き、一人の男子が別の男子に投げた物を背後に立ち掴み取った。
俺の前に立つ男子が驚いた顔をして俺を見上げた。
そりゃそうだ。
俺は180cmもある。
自分で言うのもなんだが、愛想もなく目つきも悪い。
そんな奴が急に背後に立って睨みつけてたら、誰だって怖い。
実際、ガキたちも女子も顔を強ばらせている。
「いつまで続ける気だ?」
「えっ…?」
「やり過ぎだ。怪我してるだろう」
俺はその光景を横目で眺めながら、つい1、2年まえのことを思い出していた。
(俺もあいつらと同じことしてたな。好きな女子にいたずらして気を引こうとしてたっけ。そんなことしても、嫌われるだけなのに)
俺は自嘲気味に笑って通り過ぎようとした時、『助けて』という声が聞こえた気がして足を止めた。
辺りを見渡しても、声の主は公園で男子にからかわれているあの女子しかいない。
無視して帰ることも出来たが、俺はしばらく様子をみることにした。
どうやら男子たちは、女子の何かを奪い取り、投げて取られないように遊んでいるらしかった。
女子はそれを取り返そうと必死になっている。
何度か転んだのだろうか。
膝が擦りむき血が滲んでいた。
(全く。仕方ねぇなぁ)
普段なら気にも止めず通り過ぎるのに、何故か俺はあの『助けて』という声が耳から離れなかった。
俺は中学生のガキどもに近付き、一人の男子が別の男子に投げた物を背後に立ち掴み取った。
俺の前に立つ男子が驚いた顔をして俺を見上げた。
そりゃそうだ。
俺は180cmもある。
自分で言うのもなんだが、愛想もなく目つきも悪い。
そんな奴が急に背後に立って睨みつけてたら、誰だって怖い。
実際、ガキたちも女子も顔を強ばらせている。
「いつまで続ける気だ?」
「えっ…?」
「やり過ぎだ。怪我してるだろう」