クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
 興味津々で尋ねたら、彼は顔を上げて私に目を向けた。
「世界一の自動車会社の社長になる。君の夢は?」
 彼とバッチリ目が合い、そのキラキラした瞳の虜になる私。
 カ、カッコいい。目鼻立ちが整っていて、王子さまって雰囲気だ。
 あまりに綺麗な子で、すぐに声が出なかった。
「お、お嫁さ……ううん、応援する人になる」
 常々親には将来の夢はかわいいお嫁さんと言っていたけれど、彼を見てあっさりチェンジする。
 王子さまみたいな彼が夢を実現するのを見てみたい。
 穏やかな春の日差しが降り注ぐこの日、私はこの少年にひと目惚れした。
「え? なにを?」
 怪訝な顔をされたので、動揺しながらも言い直す。
「あの……その……頑張る人を」
「そう。よくわからないけど、まあ頑張って」
 あまり興味なさそうに返されたけれど、その大人っぽいクールな眼差しにドキッとした。とどめとばかりにズキュンとハートを射抜かれ、うっとりと彼を見つめる。
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