先生のトクベツ
私の思いは、先生には伝わらない
私のトクベツな先生だけど、
先生のトクベツな私じゃないから。
「今日はー、状態方程式か」
「ここ難しいです、どれがどれか全然分かんないし」
「南、計算は全部苦手じゃん」
「ひどーい、めっちゃ笑ってる」
「笑ってないってば、ほらやるよ」
「もー、」
すらすらとノートに式を書いていく先生を慌てて追いかける、
ちょっとだけ考えている姿や、
疲れているのかたまに眉間にシワをよせる姿
私が唸っているのを見ながら微笑む姿、
全部がかっこいいけど私が一番好きなのは
化学が大好きっていう顔をしながら問題を解いている横顔。
私が解いている問題の2倍は難しい問題をなぜか少し笑いながら解いている姿が何よりもかっこいい
「つかれたー、」
「結構進んだね、今日はこれくらいで」
「はーい、ありがとうございました」
「はいよ」
「せんせー、先生は彼女いるー?」
「またそれ?内緒だー」
「なんでよー、いいじゃん教えてくれても」
「だめですー、早く帰りますよー」
「ケチー」
「なんとでもおっしゃい
てかもう受験生なんだから私の彼女いるか考える前に化学の問題考えてくださーい」
「ひどーい!!」