神さまよりもずっと
2.運命の出会い
小さなころから自分の声がずっとコンプレックスだった。
「あっははは、ヘンな声!」
クラスの男子には、しょっちゅうからかわれて。
「そんなこと言わないで!」
って怒っても、
「ソンナコトイワナイデ、ソンナコトイワナイデー!」
調子にのって声マネしてきて、からかいはますますひどくなるいっぽう。
ときには担任の先生にまで、
「まあ、あなたの声ってマンガみたいねぇ」
って笑われたりして。
だから、ずっと人前に出るのがいやだった。
歌うのも、話すのも。
ましてやお芝居なんて、わたしには一生縁がないと思ってた。
だけど、高校に入学して、はじめて小鳥遊部長に出会ったとき。
わたしの人生はガラッ! と一変した。
「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために!」
友だちのつきそいで演劇部の見学に行ったとき。
そこに、ヒーローがいた。
たなびくマントも、剣もなにもない。
わたしたちと同じ、ただの制服姿なのに。
「わが名はアトス。誇り高き三銃士のひとり!」
凛とした瞳。さっそうとしたたたずまい。
中世のフランスから、そのままタイムスリップしてきたようなアトス――小鳥遊部長の姿がそこにあった。
「あっははは、ヘンな声!」
クラスの男子には、しょっちゅうからかわれて。
「そんなこと言わないで!」
って怒っても、
「ソンナコトイワナイデ、ソンナコトイワナイデー!」
調子にのって声マネしてきて、からかいはますますひどくなるいっぽう。
ときには担任の先生にまで、
「まあ、あなたの声ってマンガみたいねぇ」
って笑われたりして。
だから、ずっと人前に出るのがいやだった。
歌うのも、話すのも。
ましてやお芝居なんて、わたしには一生縁がないと思ってた。
だけど、高校に入学して、はじめて小鳥遊部長に出会ったとき。
わたしの人生はガラッ! と一変した。
「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために!」
友だちのつきそいで演劇部の見学に行ったとき。
そこに、ヒーローがいた。
たなびくマントも、剣もなにもない。
わたしたちと同じ、ただの制服姿なのに。
「わが名はアトス。誇り高き三銃士のひとり!」
凛とした瞳。さっそうとしたたたずまい。
中世のフランスから、そのままタイムスリップしてきたようなアトス――小鳥遊部長の姿がそこにあった。