神さまよりもずっと
7.部長の願い
「あさみん、そろそろ行くぞ」
いつまでも神前にはりついているわたしを見かねたのか、小鳥遊部長がわたしに声をかけてきた。
「すみません、今行きまーす!」
あわてて部長のあとを追う。
「あの、部長」
「なんだ?」
部長がくるっとわたしのほうをふり返る。
「部長は、なにをお願いしたんですか?」
やっぱり、次の大会の優勝とかかな?
すると、部長はナゾめいた笑みを浮かべて。
「ナイショ」
と、ひとことだけ。
「えぇーっ、教えてくれないんですか?」
他のみんなは教えてくれたのに。
ムスッ、と口をとがらせるわたしを、部長はおもしろそうに見つめながら。
「だって、願いってすぐに口に出したらかなわないっていうじゃん。だから、願いをかなえるまでは自分の胸にしまっておきたいんだよ」
部長らしい、クールな答えだなぁ。
でも、部長の願いごと、できることなら聞いてみたかったんだけど。
「ほら」
部長が、わたしにあたたかい甘酒が入った紙コップを手渡してきた。
「これは?」
「オレからあさみんへのエールだ。オーディションまで、あと一週間しかないんだろ? 合格祈念に乾杯しよう」
と、わたしのコップに自分のコップをかち合わせた。
いつまでも神前にはりついているわたしを見かねたのか、小鳥遊部長がわたしに声をかけてきた。
「すみません、今行きまーす!」
あわてて部長のあとを追う。
「あの、部長」
「なんだ?」
部長がくるっとわたしのほうをふり返る。
「部長は、なにをお願いしたんですか?」
やっぱり、次の大会の優勝とかかな?
すると、部長はナゾめいた笑みを浮かべて。
「ナイショ」
と、ひとことだけ。
「えぇーっ、教えてくれないんですか?」
他のみんなは教えてくれたのに。
ムスッ、と口をとがらせるわたしを、部長はおもしろそうに見つめながら。
「だって、願いってすぐに口に出したらかなわないっていうじゃん。だから、願いをかなえるまでは自分の胸にしまっておきたいんだよ」
部長らしい、クールな答えだなぁ。
でも、部長の願いごと、できることなら聞いてみたかったんだけど。
「ほら」
部長が、わたしにあたたかい甘酒が入った紙コップを手渡してきた。
「これは?」
「オレからあさみんへのエールだ。オーディションまで、あと一週間しかないんだろ? 合格祈念に乾杯しよう」
と、わたしのコップに自分のコップをかち合わせた。