新 撰 組 終 末 記
第一章 《めぐり逢いて》
"普段は無駄口ばかり利いてる男ですが、この娘のこととなると、涙を落として語ったものです。"
近藤 勇五郎…新撰組 局長である、近藤 勇の甥に当たるこの男が、沖田 総司についてそう語った。
歴史の本にも、教科書にも載ることのない 新撰組 一番隊組長の沖田総司の、儚く哀しき恋唄。
"沖田SIDE"
屯所近くの寺で木々を眺めていたら、雨上がりに葉っぱについた雫が太陽の光に反射して、キラキラと輝いていた。
こんな日には、何か起こるんじゃないかなーなんて思っていたら、
まるで天女のように、俺の前に現れたキミ。
浮世離れしたその容姿に、思わず息を飲み込んでしまったのを、今でも憶えているよ。
ああ、もうすぐキミと出逢った季節がやってくる。
キミに出逢えたのは、運命なのか、宿命なのか
どちらにせよ、必然だったのかもしれない。