新 撰 組 終 末 記
一つは流されて、二つ目は竹刀の先で受け止められる。
最後の三つ目が、斎藤さんの竹刀に触れた瞬間、なんとも言えない手応えに不審感を抱いた。
______バキッ
鈍い音がして、私の竹刀と、斎藤さんの竹刀
二つが同時に折れた。
お互いの力を、きっと竹刀たちは分散出来なかったのであろう。
バシンッ…と道場の床に竹刀の折れた先が落ちた。
一「…相殺、か…」
斎藤さんは、汚く折れた竹刀を見つめながら、何かを呟いた。
……これは、どうしよう。
普通、試合で竹刀を折るということは必然的に負けるということ。 でも、二人共折れてしまっているのだから 負けたとも、勝ったとも言えない。
こんなに後味の悪い試合初めてだ。
シーンと、静まり返った道場の空気を破ったのは、やはり近藤 勇だった。
勇「うん!! これほどの剣技を見させてもらったんだ。 雪乃 殿には是非とも壬生浪士組に入ってもらいたい!!」
歳三「……はぁ…仕方ねぇな…」
そ、そんなに嫌がることある…?
一「…雪乃と、言ったか…。 また、手合わせを願う」
『は、はい…私も、したいです』
試合とは相対して、晴れやかな気持ちで、一礼をした。
バチンッ___と、近藤さんが両手を叩いた。
勇「というわけでだ。 雪乃殿、腹は空いてないかね?」
…なんか突然っていうか…脈絡ないなぁ…。
まあ、手合わせもしたし ずっとご飯食べてないし、お腹が空いてないといえば嘘になる。
新八「確かに、もう夕暮れ時だ。 夕餉の時間だね」
勇「同じ釜の飯を食べて、親睦を深めようではないか!! そうと決まれば、よし! 島田くん、頼む!!」
?「はい、分かりました」
大柄な男の人が、そう返事をした。
島田くんって…島田 魁さんのことかな。
背が高くて、新撰組の背が高い人と言ったら、その人しか思い浮かばない。
勇「何しておられる雪乃殿。 来られよ」
食事をするところに連れて行ってもらえるのか、笑顔で手招きをされた。