新 撰 組 終 末 記
サーッと、私の横を風が吹き抜けて、スカートの裾を揺らした。
『……ふぁ…』
一つ、大きなあくびをした。
今日は5月30日、少し暖かくて過ごしやすい季節でもある。
高校三年生の私は、受験勉強をせずに、なんとも自堕落な生活を送っていた。
唯一続けていることとすれば、近くにある北辰一刀流という剣術の道場で、稽古をしていること。
私みたいな人間を、"不良"と人は呼ぶんだろう。
『はー…だる、…』
家にいれば、口うるさい親がいるから
ろくに学校すら行かず、家の近くの寺で暇を潰していた。
もうすぐ午後6時。 そろそろ帰らなければならない時間。
『…帰りたくない…』