【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

弟の友達

 
 夏も終わって、少し肌寒くなってきた季節。
 田舎でもない都会でもない、ある街にある会社の女子更衣室。
 身支度をする女性社員の間で、何やら騒がしい声が聞こえる。

「わぁい~うれしぃですぅー! 利佳子さんが合コンに来てくれて良かったぁああ~人数足りなくて困ってたんですぅ~」

 春に大卒で入社した可愛い女子社員が、甘えた声を出した。

「人数合わせって事で、いるだけで、いいのよね」

 困ったような顔をしながらも、笑う利佳子。
 三十代、独身。
 キリリとした雰囲気が漂う。
 髪はしっかりとひっつめられて、私服は綺麗めカジュアル。
 誰が見てもデキる女だと思うだろう。

「はぁい~もちろんですぅ~嬉しい~!!」

 利佳子はその新人女子の上司の上司で、課長だ。
 
「え……っ! ちょ……か、課長を、ご、合コンに誘った!?」
 
 既婚の事務員さんがその提案にギョッとしている。
 利佳子とって歳の離れた新人女子が無邪気な子どものように見えて『困ってるならいいわよ』と答えてしまった。
 気持ち的には、子供の集まりに参加する保護者のような気分……。

「じゃあ、お疲れ様」

 更衣室を出て退社する。

「あぁ……もう寒いわね」
 
 家から最寄りの駅を出ると、もう冷たい風が吹いた。
 利佳子は、歳の離れた大学生の弟と二人暮らし。

「今日のトシは……宅飲みの予定だったわね」
 
 今日は家に友達を呼ぶと連絡があった。
 まだまだ食べ盛りの弟だ。
 きっと足りなくなっているだろうと、お酒やおつまみを買って帰る。

「おーさすが姉ちゃん! 気が利くね~~」

「お邪魔してます、利佳子さん」

「いらっしゃい隆太朗(りゅうたろう)君」

 リビングのローテーブルで、もう既に出来上がっている弟の利紀(としのり)
 そして身体も大きくて、タレ目も大きな隆太朗。
 地毛は茶色くてウェーブがかかっている。
 最近は短めにカットしているが、まるで可愛いラブラドールのようだ。

 これは男子に失礼かと思って、言ってはいない。

「利佳子さんも、一緒に飲みましょうよ」
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