【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

「俺、利佳子の褒め上手なとこも凄いって思ってて……なんか、気持ちがホワってするんだ」

「ごめんなさい、上から目線って思ったよね」

「違うよ! 俺はすっごく助けられたんだ……。利佳子がいつも褒めてくれるから、高校の悩んでた時期も乗り越えられたんだよ」

「え?」

 素敵なケーキ皿に盛られるケーキ。
 カットされたレモンとミントの葉まで添えられる。

 そして隆太朗は、利佳子をじっと見つめる。
 思い出すように、優しい瞳で――。

「……進路で悩んでた時に、ベイクドチーズケーキを持ってったんだ。親からは製菓学校行くの反対されてたんだけど……利佳子が、すっごい美味しいって喜んでくれて……このケーキを食べたら元気が出る! って褒めてくれて……だから製菓学校に絶対行ってパティシエになるって決めたんだ」

「りゅう……」

「利佳子が覚えてなくてもいいんだ。でもずっと俺、利佳子に勝手に励まされてきたんだよ」

 カフェのようにケーキの皿を目の前に置かれて、フォークも出してくれる。
 
「俺なんか、利紀と同じように弟……みたいな子どもって思ってるんだろうなーってわかってたんだけど……あ、いいよ。座っててね」

 シューッとケトルの音がした。隆太朗が台所へ向かう。
 
「うん……」

「俺は……会うたびに、めちゃくちゃ大好きになってった」

 背を向けて、紅茶を淹れながら照れたように笑う隆太朗。

「私も……あなた達を見てずっと励まされて頑張ってこれたんだよ……あなた達っていうか……りゅうにも」

「そうなの?」

「うん、ちょうど出世も絡んで辛い時期だったのよ。でも貴方のチーズケーキ食べた時、あなたの夢に向かう姿に私も励まされたの。本当に元気が出たのよ!」

「覚えててくれたの?」

「もちろんよ……! だから私も頑張れて出世できたの! あのチーズケーキは私にとっても一生の思い出のケーキ……!」

 あ、上司っぽかったかなと思ったが……ガバっと隆太朗に抱き締められた。
 犬が一気に飼い主の元へ走ってくるようなスピードだった。
 
「りゅ……」
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