【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

 隆太朗は、利佳子にニコニコな笑顔を向けてくる。
 眩しいような、わんこスマイルだ。

「いえいえ。いいのよ私は」

「だってリビング占領しちゃってるし、お土産持ってきたので! 一緒に飲んでくださいよ~これ、結構いいワインなんですよ」

 隆太朗が手元のワインを持ち上げた。

「でも、せっかく二人で……」

「ふわぁああ~あ……俺ちょっと眠いし、姉ちゃんも暇ならリュウの相手してやってよ……ふわぁ」

「トシ、ひでぇ」

 利紀はソファに寝転がり、クッションを抱えながらウトウトしだす。

「こら、利紀! お友達呼んでおいてダメでしょ!」

「俺は寝るかもよって言っておいたんだよ~~……ふわぁあああ」

「うう~言ってたけどさ~まだ早いし、寂しいだろ。……利佳子さん、一緒に飲んでくれませんか?」

 弟は眠い時は絶対に、寝てしまう。
 クーンと寂しげな瞳を隆太朗から向けられた。
 弟の尻拭いは……姉がしなければ……と思ってしまう。

「じゃあ……着替えてくるから、少し待っていて」

「はいっ!!」

 涙目から輝く笑顔。
 利佳子は最近の若い子は、みんな素直で可愛らしいものだと思う。

 スウェットはだらけ過ぎだろうと、柔らかいグレーのニットを着てストレッチジーンズ。
 コンタクトを外してメガネをかけて、ひっつめていた髪は降ろした。
 黒くてツヤのある髪にできたうねりを、少し整える。
 パウダーを少し叩いて、リップだけ塗った。

「おまたせ。あら、買ってきたの好きに食べて飲んでて、良かったのよ」

「り、利佳子さん……キレイ……」

 隆太朗が、利佳子を見て何故かポッと頬を赤くした。

「ん? ワインならチーズかしらね。ビールもあるけど」

「ありがとございます! もらいます」

 そんな隆太朗の様子には気付かずに、利佳子はテキパキと隆太朗につまみや、飲みたいと言われたビールを出す。
 余ったビールを冷蔵庫に入れようとしたが……。
 寒い台所に白い紙の箱が置いてある。

「あら、これは」

「あ、すみません! それ俺が作ったんです! 良かったら食べてみてもらえますか?」

 隆太朗が後ろから言った。
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