【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

隆太朗からの告白

 友人を置いて出て行った弟に、利佳子はため息をつく。
 
「まったく……そんな子に育てた覚えは……ごめんね~~~隆太朗くん」

 利紀が出て行ったリビングのドアを見て、振り返ると隆太朗はすぐ目の前にいる。

「えっ」

「合コン、行かないでください」

 うるうるしてキラキラしている瞳に目の前で見つめられ、利佳子はドキドキというか焦ってしまう。

「ど、どうしてか……わけを言ってくれないと。社会人として、約束を断るにはそれなりの理由が必要で……」

「だって、他の男に利佳子さんを口説かれたら困ります」

「え?」

 頭の回転の早い利佳子だが、思考が追いつかない。

「私はただの人数合わせなのよ。それに……私が口説かれたら……何か困る?」

「そ、それは……」

「もうこんなオバサンになっちゃったけど、誰か良い人でもいたら祝福してくれてもいいじゃない……?」

 哀しげに、利佳子は笑う。

「そ、そういう意味じゃありません! 利佳子さんの年齢はオバサンなんかじゃないですから!」

「え~? ふふ、ありがと。でもオバサンって思ってるわよ私は」

 中身がもう若くない、と周りの同級生を見ても実感してきた。
 弟を育てる『母』として生きてきたのでオバサンと呼ばれても構わないのだ。

「そんな! 違いますよ! 素敵な……女性です」

「……あ、ありがとう」

「じゃああの、今恋人は募集中って事でいいんですか!?」

 少し酔ってきた利佳子は、ツン……と大きなワンコのような隆太朗の額を指でつついた。

「恋人募集? ふふ……っ独りの長い虚しいオバサンに、そんな事言わせて酷い子ね」

「え」

 クスッと笑う利佳子の笑み。
 寂しそうだが、綺麗な大人女性の微笑み。
 隆太朗は、利佳子より背も高いし筋肉もあって逞しい。
 が、キレイな指で額をツン……とされ、セクシーな衝撃でクラリと倒れそうになる。

「り、利佳子さん……それ反則……」

「ん??」

「あの俺、立候補したいです!!」

「え??」

 隆太朗が声をあげて、手をあげた!
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