❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
由梨は真っ赤な顔で恥ずかしがった。

「由梨、キスしてえ」

「えっ?」

「ダメか?」

健吾はいつもなら、いきなり奪うが、今の由梨には拒否される可能性が高い。

自分の名前を覚えてくれていることが奇跡なのに、自分に対する気持ちまで、同じとは限らない。

「ダメですよ、奥様が悲しみます」

「だから、俺の奥さんは由梨だって」

由梨はキョトンとした表情を見せた。

「ごめんなさい、わかりません」

「そうか、そうだよな、気にするな、俺のそばにずっといてくれ」

「はい」

健吾はそれだけで十分だった。

(これ以上望んだらバチが当たるよな)

健吾は回復に向かっていた。



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