❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
由梨は部屋の中を見渡して、亮二に言葉をかけた。

「あのう、私はどうしてここにいるんですか」

「道に倒れていたんだ、どこもなんともない?」

「はい」

「そうか、名前は?」

由梨は黙ったままだった。

「俺は道重コーポレーション社長の道重亮二だ」

「名前は覚えていません」

「そうか」

由梨は一週間ほど、亮二のマンションでお世話になった。

「美希、俺は仕事で、アメリカへ行く、一緒に行くぞ」

名前を覚えていないとのことで、亮二は美希と呼ぶことにしたのだ。

由梨は亮二と共にアメリカにいた。

そして、五年の歳月が流れた。


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