❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
アメリカで、由梨は雑誌の掲載されている西園寺健吾が気になっていた。

(この人、どこかで会ったことあるような……)

毎日雑誌を眺めていた。

由梨は夢を見ていた。

夢の中でその男性は怪我をして苦しんでいた。

「大丈夫ですか」
その男性は由梨の腕をひき寄せ、キスをしてきた。

びっくりして飛び起きた由梨。

心臓の鼓動が加速していった。

雑誌のその男性をマジマジと見つめた。

(あなたは誰なの?)

由梨はどうしてもその男性に会いたくなった。

その頃、日本では、さえの言動が気になりはじめた健吾は、裕也を呼び出した。

「おい、裕也、さえの行動を見張れ」

「組長、ヤキモチですか、新妻の行動が気になっちゃいますか」

「バーカ、ちげえよ、誰にも言うなよ、俺とさえは契約結婚なんだ」

裕也はポカンとしていた。

「いいか、さえには堅気の男がいる、俺だって由梨は諦めきれない、
さえいわく、その堅気の男を守るために、俺と結婚したんだ、けど、さえと暮らしはじめて一ヶ月、男の気配は感じられないし、毎晩求めてくる、俺は苦痛で仕方ないんだ」

「組長、贅沢ですよ、毎晩求められて、苦痛なんて」

「アホか、快楽のない抱擁がどれほど無意味か、全く欲情しねえ」

「へえ、そんなもんですかね」

「いいか、さえがどんな行動を取っているか、張りついて報告しろ」

「わかりやした」
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