❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない

第十六章 再会

「あのう、あなたが西園寺健吾さんですか」

「そうだ」

「私、あのう、これ見たんです」

由梨は雑誌を見せた。

「ああ」

「それで、どこかで会ったような気がして、そうしたら、西園寺さんが夢に出てきて、あなたは誰ですか」

「とにかく、立ち話もなんだ、中へ入ってくれ」

「でも……」
「庭に椅子がある、そこならいいか」

「はい」

事務所を入っていくと、裏口があり、そこを抜けると庭があった。

古風な日本庭園を思わせる。

「親父の趣味だ、この間あの世へいっちまったがな」

「そうですか」

健吾は本題に答えた。

「俺が誰かってことだよな」

「はい」

「その前にいくつか質問に答えてくれ」

由梨は何を聞かれるのか不安だった。

「由梨は今、どこで、誰といるんだ」

由梨は、バッグの中からカードを取り出し、健吾に見せた。

そのカードには、連絡先と題して名前と電話番号が記されていた。
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